昨日もご紹介しましたが、ホッキョクグマのユキオが間もなく上野動物園に戻ってきます。

ユキオが何のために遠い釧路まで行ったのか、考えてみる。表向きはいわゆるブリーディング・ローン(BL)契約に基づく移動、つまりツヨシとのペアリングによる繁殖を目的にしたもの。結果は皆さんご存知の通り。
釧路市動物園のリリースによると、「ツヨシとの相性が合わない」「BLの期限満了前の契約解除を釧路側から申し出」と、散々な言われようで、「返却」される、とのこと。使い捨ての道具であるかのごとくの文面からは、残念ながら釧路市動物園側のユキオに対する愛情が伝わってきません。春休み期間中とはいえ、お別れ会は平日の午前中に開催とは…ユキオが不憫でなりません。直接ユキオの飼育に携わっていただいた飼育員さんや温かく見守って下さったボランティアの皆さんとの温度差を感じずにはいられません。動物園の事務方が事務的に事実を告知しているに過ぎませんが、見る側がそれをどのように受け取るのか、という想像力を持つことも大事なことではないでしょうか。
現在機能しているのかどうか全く定かではない、「ホッキョクグマ繁殖検討委員会」。この移動にも大きく関与していたと思われますが、果たして移動時既に24歳だったユキオを移動させるという判断が果たして正しかったのだろうか、これを機に総括していただきたいもの。皆さんも当初ユキオが釧路にペアリングのために移動すると聞いて、とても意外に感じられたでしょうし、その結果についても懐疑的な見方をされた方がきっと多かったのではないでしょうか。このペアリング、果たしてどこまで本気だったのか。もちろんユキオとツヨシとの間に赤ちゃんを授かることができれば万々歳だったのでしょうが、ツヨシにペアリングの実績を積ませることができればそれで良かったのでは、などとつい勘繰ってしまいます。
また、ミルクが男鹿から釧路に来るという、BL契約の際には予測できなかった要因も、今回のユキオの里帰りの時期に影響を及ぼしたと思われます。
でも、ユキオが上野に戻ると聞いて、安堵したのもまた事実。昨年の秋には既にユキオが釧路を離れるという報道が出ており、なかなか帰る時期が決まらなかったのは、ユキオが帰る先が上野ではない別の動物園で、そことの調整が長引いて釧路を離れる時期がなかなか決まらないのでは、と思っていたから。故郷の上野に戻ってきてくれるのは、ファンにとっては何よりも嬉しいこと。
今の上野の施設は、ユキオも知っています。果たして覚えてくれているかは分かりませんが…釧路のように広いプールではありませんが、ユキオが楽しく遊ぶ姿を早く見たいもの。上野で待つデアとのペアリング、となるかは分かりませんが、仲良くしてくれるといいな。天国からレイコさんが見守ってくれていることでしょう。
まずはユキオの釧路から上野までの、無事の移動を心から願います。
テーマ: 動物の写真
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